ACジャパンCM学生賞は、日本の未来を担う若い世代が、広告制作を通して公共広告への理解を深め、また、社会に主体的に関わる「公」への意識を育むことを目的として、社会へ向けた新しいメッセージを期待する賞で、2005年より毎年開催しています。
第11回の参加校は26校、156作品のいずれも高水準の作品が集まりました。そのなかから、一次選考、二次選考を経て、ファイナリスト54作品が選出され、3月10日に行われた最終選考会において、グランプリ1作品、準グランプリBS民放賞1作品、部門賞5作品、優秀賞18作品、奨励賞21作品を決定いたしました。
3月26日には、汐留電通ホールにて表彰式が行われ、受賞者にはトロフィーと表彰状が、後援のBS朝日 代表取締役社長 風間建治氏、選考委員長 アサツー
ディ・ケイ 石井利始氏、ACジャパン 専務理事 狩野雄司から授与され、受賞者たちの心を込めた作品に対する賞賛と励ましのメッセージが贈られました。
尚、グランプリ作品および準グランプリBS民放賞作品は、2015年7月1日より、BS民放8社で1年間にわたり放映される予定です。
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グランプリ「音漏れテスト」
テーマ:音漏れ
武蔵野美術大学
赤嶺 一希(制作代表者)〈企画意図〉 制作代表者:赤嶺 一希
ヘッドフォン、イヤホンの音漏れを自覚してもらうためのCM。
音漏れする人は音を漏らしたいわけではなく、自分では気づくことができない故に音が漏れてしまっているため、
まず最初の「気づき」を重要視した企画にした。〈作品寸評〉
わかりやすい方法で、自分のイヤホンの音漏れ状況を自分自身で確認できるという提案力のある作品。
CMを見た人に、単にメッセージを伝えるだけでなく、行動を起こさせることが出来る力を持っている。 -
準グランプリBS民放賞 「人にやさしく」
テーマ:寄り添う
武蔵野美術大学
崔 子鳴(制作代表者)
李 宣旼, 袁 似夢〈企画意図〉 制作代表者:崔 子鳴
日常生活では、人と人の距離は近くても、心と心の距離は遠いと感じることがある。作品では、誰でも身の回りの誰かにストレスを与える。でも、やさしく寄り添うことで、人にやさしく、自分にもやさしくなることができることを伝えた。〈作品寸評〉
ACジャパンの根源的ともいえるテーマを、二面割の画面を上手に使い新鮮に表現している。
とても丁寧に作られており、品格が感じられる作品に仕上がっている。
部門賞
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アイデア賞
「情報の信頼性」
テーマ:SNS情報の危険性
日本電子専門学校冨岡 愛莉香(制作代表者)
小田 有沙、周 憶文、村端 俊亮、金子 圭太、境 駿太〈作品寸評〉誰もが自由に情報を発信できる時代。だからこそ情報の信憑性を見極めることが重要であるという、まさに今の時代にふさわしいテーマを取り上げた作品。
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表現技術賞
「ふれあう対話」
テーマ:人と人との関わり
京都造形芸術大学小川 円〈作品寸評〉コピーもそぎ落とし、ここまでシンプルにテーマを表現しているのは、とても素人の作品とは思えない。ソフトで温かみのある作品。
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コピー賞
「えんまの分別RAP」
テーマ:ゴミの分別
武蔵野美術大学市川 大翔(制作代表者)〈作品寸評〉よく取りあげられるゴミの分別テーマを、ラップのリズムに乗せて語るという、学生らしいチャレンジ精神のある作品。若い人に受け入れられやすい作品に仕上がっている。
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コピー賞
「正」
テーマ:戦争反対
大阪芸術大学中村 美咲(制作代表者)
白勢 ふう菜、高橋 眞実、山下 友里恵、蜂谷 仁、高田 ゆりか〈作品寸評〉争いは互いに正義を主張することで起こるということを、赤と白の「正」という文字を使い印象的に表現している。また、「だから、私たちは学ばなければならない」という締めのメッセージも説得力がある。
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審査員特別賞
「無人島への贈り物」
テーマ:ゴミの分別
武蔵野美術大学金城 真琴(制作代表者)
山之内 梓〈作品寸評〉表現技術にあまり依存せず、骨太のアイデアだけでも、こんなにストレートにメッセージを伝えることが出来ると気付かされた作品。
優秀賞
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「マナーの目は世界の目」
テーマ:公共マナー 人と人とのつながり
玉川大学風間 尊心(制作代表者)
鈴木 彪雅、田中 快、手塚 健吾、鈴木 星香、山崎 謙丞 -
「あぶない!クルレリーナちゃん」
テーマ:交通ルール
武蔵野美術大学見里 朝希 -
「夢の花」
テーマ:子育て問題
文星芸術大学木下 紗羅(制作代表者)
木下 くみ子、木村 優希、永岡 聖都、鈴木 来望、塩山 愛奈 -
「初めての挑戦」
テーマ:失敗を恐れない勇気と人のあたたかさ
東京藝術大学土井 捺稀(制作代表者)
林 そよか、 北薗 綾乃 -
「つまないで」
テーマ:子供・教育
京都造形芸術大学小林 ゆきの -
「もっと日本のことを知ろう」
テーマ:グローバル化を目指す日本について
東京藝術大学麻生 啓史(制作代表者)
李 英姿 -
「生活カエルのビデオレター」
テーマ:森林保護
京都精華大学谷垣 慧実(制作代表者)
冨田 智子 -
「割り込みメェ~人」
テーマ:割り込みをやめよう
城西国際大学渡辺 雄太(制作代表者)
多巻 麻菜、角花 啓斗、昼間 將太、高橋 啓介、堀越 勇樹 -
「うめぇ話にご注意を」
テーマ:詐欺に対する注意喚起
武蔵野美術大学大澤 欣生(制作代表者)
松下 洸之介 -
「きみの声で」
テーマ:ネットコミュニケーション
東京藝術大学金井 みのり (制作代表者)
平井 快武 -
「約束」
テーマ:ゴミの分別・ゴミのリサイクル
日本大学芸術学部戸村 華恵(制作代表者)
成島 克俊、大内蔵 夏帆、杉山 陽介、永島 千寿流、三戸 茜、 三井 安奈、坂本 舞柚 -
「地球」
テーマ:環境破壊
武蔵野美術大学坂本 奈津希 -
「オレオレ詐欺」
テーマ:詐欺被害
大阪芸術大学川端 美咲(制作代表者)
田井 里依、寶満 幸代、増 みゆき、松本 純弥、森島 菜摘、山口 磨里 -
「取り換えしはつかない。」
テーマ:公共マナー
京都造形芸術大学糸川 駿 -
「自分が何を言っているかわかってますか?」
テーマ:言葉の意味を考える
東海大学大村 美稀(制作代表者)
石井 みのり、キム スジン -
『 進化する「 」、退化する「 」 』
テーマ:スマホ依存
東海大学村上 晴砂(制作代表者)
碓井 賢人、鈴木 保 -
「若者言葉」
テーマ:若者の言葉遣い
武蔵野美術大学吉野 紗和 -
「みんなどうかしているぜ!」
テーマ:スマートフォン・SNS依存
長岡造形大学平島 桂子
奨励賞
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『ゴミではありません。「いのち」です』
テーマ:動物愛護
文星芸術大学大門 由樹(制作代表者)
渡辺 良介、増渕 翔太、木下 沙羅、藤下 栞 -
「dust burn」
テーマ:ゴミ問題
日本大学芸術学部新宮 千秋(制作代表者)
佐野 大、加藤 穂乃伽、星野 智洋、下間 碧、保田 大輝、飯島 早織、相佐 一輝、金田 哲利、荒谷 雄一郎 -
「忘れないために」
テーマ:東日本大震災
東京藝術大学加藤 てまり(制作代表者)
櫻井 美希 -
「ひとことの勇気」
テーマ:あいさつ
同志社女子大学岸野 眞子(制作代表者)
神田 奈々恵、夏目 千聖、松村 恵美代、矢倉 緑 -
「一日の挨拶」
テーマ:挨拶
東京工芸大学船冨 由愛(制作代表者)
高島 明日香、小野 真理鈴、酒井 友香里、大島 里菜、佐藤 実希、木目田 彩美、佐伯 洋志、小木曽 雄輝、
キム ミンギョン -
「未来を守る」
テーマ:児童虐待
桜美林大学長谷川 幹弥 (制作代表者)
中里 天音 -
「危ない」
テーマ:食品偽装問題
文星芸術大学中島 ひとみ -
「日々の幸せ」
テーマ:幸福度
名古屋学芸大学前田 有輝(制作代表者)
長谷部 大輝、松田 滉平、中村 祐太 -
「あなたを知らせるライト」
テーマ:自転車マナー
武庫川女子大学木之下 美咲(制作代表者)
宮本 恵美子 -
「きっかけはそこにある。」
テーマ:コミュニケーション
駒沢女子大学能條 莉緒(制作代表者)
金子 阿佐美、木村 夢那、斎木 綾香 -
「こんな物語が、あってもいい。」
テーマ:性差別
長岡造形大学浮蓮 要 -
「物の捨て方」
テーマ:ポイ捨て
大阪芸術大学増 みゆき(制作代表者)
川端 美咲、田井 里依、寳満 幸代、松本 純弥、森島 菜摘、山口 磨里 -
「母」
テーマ:親子愛
大阪芸術大学高橋 眞実(制作代表者)
山下 友里恵 -
「言葉≦365」
テーマ:言葉の重み
武蔵大学鯉沼 愛実(制作代表者)
天野 太陽、田嶋 亮太、荒尾 知佳、小彼 咲希、渡邊 ゆい -
「マナーの国のアリス」
テーマ:電車マナー
目白大学木藤 里英(制作代表者)
磯和 開花、小野寺 映美 -
「つなぐ」
テーマ:コミュニケーション
名古屋大学大学院張 蕾(制作代表者)
丹羽 葉月、繁田 あずさ -
「チーズとちくわ」
テーマ:消費税
名城大学中島 雅人(制作代表者)
福嶋 大暉、杉本 光輝 -
「みんなしてるから」
テーマ:迷惑行為
関西大学林 芹歌(制作代表者)
宮崎 雄大、山下 茉綸 -
「大事なことにいつ気づきますか」
テーマ:交通マナー
龍谷大学桂 季永(制作代表者)
中尾 麻鈴、中辻 美奈、大原 祐衣、大橋 智也、高倉 和紀、早川 未裕希、金子 進也 -
「見えていますか、助けてのサイン」
テーマ:いじめ
福山大学松葉 桂(制作代表者)
長谷井 優紀 -
「子どものあやしかた」
テーマ:親子間のコミュニケーション
横浜美術大学住田 茜(制作代表者)
田中 友依子、市川 由夏、浅見 悠希、近藤 真也
- 応募学校(ACジャパン会員校 26校)
- 駒沢女子大学・城西国際大学・東海大学(文学部)・東京藝術大学・東京工芸大学・日本大学(芸術学部)・日本電子専門学校・文星芸術大学・武蔵大学・武蔵野美術大学・目白大学・玉川大学(芸術学部)・横浜美術大学・桜美林大学・長岡造形大学・名古屋学芸大学・名古屋大学大学院・名城大学・大阪芸術大学・関西大学・京都精華大学・京都造形芸術大学・武庫川女子大学・龍谷大学・同志社女子大学・福山大学 (順不同)
講評
- 人の行為を決めるのは誰なのか。
- 選考委員長 石井 利始
- そのメッセージは人を動かすことが出来るのか?
その表現は人の行為に結びつくのか?
広告の根源的なテーマです。
しかも、公共広告は商品便益という損得の無いところで、
受け手の心と行為の変容を促さなければならない。
正しい、ことがまったく武器にならない。
逆にそのことが人の心に反感という壁を作ってしまうことだってあります。
今年のコンクールのグランプリは「音漏れテスト」。音楽再生端末の音漏れの話です。
この作品には車中で音楽を聴いている人も、それに迷惑している人も一切出てきません。
いつも自分が聴いているイヤホンの音量がどれくらいのものか、ということを
CMを見る人たちに思わずテストさせてしまうという実に上手いたくらみがありました。
審査員のなかでも自分でも試してみた、という人が何人もいたという程です。
行為を決めるのは自分自身です。他人に言われるより、自分で決めたことの方が圧倒的に強い。
そんな、人の行動規範の根本を教わったような気がしました。
おめでとうございます。そして、これからも「人」を見つめる気持ちを大切にしていってください。
- 選考委員
- 委員長:石井 利始(アサツー ディ・ケイ)
- 委員:名久井 貴詞(味の素) 小出 誠(資生堂) 河﨑 真太郎(トヨタマーケティングジャパン) 三浦 洋一(パナソニック) 片桐 理(ライオン) 古屋 路加(ニッポン放送) 五味 俊哉(日本テレビ放送網) 瑞光 玲子(フジテレビジョン) 酒井 隆宏(I&S BBDO) 阿部 晶人(オグルヴィ・ワン・ジャパン) ナガクラ トモヒコ(サン・アド) 中村 卓司(電通) 柴崎 悠二(電通クリエーティブX) 野田 高澄(東急エージェンシー) 板東 睦実(博報堂) 貝原 武(読売広告社) 若尾 一彦(日本アド・コンテンツ制作社連盟) 笹子 浩二郎(BS朝日) 島田 淳(BSジャパン) 水野 茂(BS-TBS) 田尻 涼(BS日本) 皆川 知行(ビーエスフジ) 田﨑 勝也(BS11) 小田 真幹(WOWOW) 小林 慎一郎(BS12〈TwellV〉) 最首 英也(AOI Pro.) 川口 文和(太陽企画) 小簱 一浩(TYOクリエイティブ・センター) (順不同)
- ◇歴代のグランプリ受賞作品
- 第1回 「2004.10.23 その時僕らは(おにぎり篇)」長岡造形大学
第2回 「食べきれない」武蔵野美術大学
第3回 「ありがとうは無限大」武庫川大学
第4回 「TRAIN SOS」武蔵野美術大学
第5回 「ひとつあいさつくださいな」東京工芸大学
第6回 「つられ迷惑」東京藝術大学
第7回 「渡る世間はみな先パイ」目白大学
第8回 「誰でも縦並びマナー」武蔵野美術大学
第9回 「ながらスマホ二宮金次郎」東京工芸大学
第10回 「誰かの一食」日本大学芸術学部
会場(表彰式)協力
汐留電通ホール
2015年3月26日
- 主催
- 公益社団法人ACジャパン
- 後援
- BS日本 / BS朝日 / BS-TBS / BSジャパン / ビーエス フジ / WOWOW / BS11 / BS12(TwellV)(順不同)
- 協力
- I&S BBDO / AOI Pro. / アサツー ディ・ケイ/ 味の素 / オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン /サン・アド / 資生堂 / 太陽企画 / ティー・ワイ・オー / 電通 / 電通クリエーティブX / 東急エージェンシー / トヨタマーケティングジャパン / 日本アド・コンテンツ制作社連盟 / 日本テレビ放送網 / ニッポン放送 / 博報堂 / パナソニック / フジテレビジョン / 読売広告社 / ライオン(順不同)